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SEKAI ISAN - THE WORLD HERITAGE

エクアドル 世界遺産 南アメリカ

キトの市街

City of Quito

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quito 143quito 143 / waldopics

南米大陸におけるキリスト教布教の拠点都市

エクアドルの首都であるキトは、中央アンデス山脈4,000〜6,000m級の山々に囲まれ、標高2,850mに位置し、人口はグアヤキルに次いで2番目に多く約267万人が住んでいる。年間を通して春のような気候(年間平均気温14度)のため「永遠の春」と呼ばれる。「キト」の由来は先住民のキトス族が築いたことからきており、1978年、世界遺産登録基準(ⅱ)(ⅳ)が認められ、最初の12箇所のうちの1つに選ばれた。

キトは南北17kmの細長い街で、北地区、中央地区(旧市街)、南地区と3つのエリアに分かれていて世界遺産に登録されたのはセントロ・ヒストリコと呼ばれる中央地区。16世紀、南米大陸でのキリスト教布教の拠点だったことから教会や修道院が30以上も残っていて「アメリカ大陸の修道院」と呼ばれた。建物は16〜17世紀のバロック建築で白壁と赤屋根が特徴的。

歴史

キトはキトス族によって開かれ、15世紀に入るとインカ帝国によって支配された。第11代皇帝ワイナ・カパックの母親の出身地だったことからキトはクスコに次ぐ第2の都市として栄えた。

第11代皇帝ワイナ・カパック、第12第皇帝ニナン・クヨチが天然痘により相次いで亡くなった後、本妻の子ワスカルと妾の子アタワルパの間で後継者争いが勃発。アタワルパは一度は捕らえられ幽閉されたが、少女の助けにより脱出に成功。この兄弟の戦いは最終的にアタワルパの勝利で終わった。

しかしちょうどその頃、コンキスタドールのフランシスコ・ピサロ率いるスペイン人が南米大陸に侵攻。アタワルパは王位継承のためにクスコへ向かう途中の街カハマルカ(ペルー)でスペイン人の奇襲を受け捕らえられた。
アタワルパは幽閉されていた部屋で「この部屋を金銀財宝でいっぱいにしてみせよう、そしてそれをすべて与えるから我を開放せよ」と言って、実際に部屋を財宝で埋め尽くしてみせたが、結局解放されることはなく財宝だけ奪われ、兄であるワスカル殺しや偶像崇拝を常習していた罪を被せられ処刑された。当初火あぶりの刑を執行するはずだったが、インカでは火葬されると魂が転生しないとされていたので、アタワルパがキリスト教に改宗することを条件に絞首刑に変更された。

スペイン人に街を侵略されることを危惧したアタワルパは部下ルミニャウイらにキトの街を破壊させた。しかし抵抗むなしくインカはスペイン人によって征服されてしまった。1535年に入植したスペイン人が壊滅した街を先住民を使って再建。バロック様式とムデハル様式が融合した建築物が多く建てられた。

それから19世紀までスペイン人による支配が約300年続いたが、19世紀初頭より独立の気運が高まり、1822年にスクレ将軍のもと、ピチンチャの戦いでスペイン軍を破り見事に独立を果たした。

スペイン人によるアメリカ大陸侵略

1492年、コロンブスが南米大陸を発見してから、スペイン人が黄金を求めて上陸してきた。スペイン人の一方的な考えによってインカ帝国、アステカ帝国など、南米大陸北部の重要な文化が一瞬にして失われた。先住民に対する虐殺行為は目を覆いたくなる内容で救いが一切ない。インディオは心優しく、争いを好まなかった。スペイン人が訪れたときには温かく迎い入れ、食料、金、銀が欲しければ与え、人が必要とあらば、全面的に協力した。しかしその行為を受けながらもスペイン人はもっと金をだせ、とあるだけ奪ったのちに老若男女関係なく皆殺しにした。山へ逃げるものがあれば、犬に後を追わせ食い殺させた。このようなひどいエピソードがいくつもある。

スペイン人の虐殺とスペイン人が持ち込んだ疫病により先住民はほぼ壊滅。豊穣な土地だったエスパニョーラ島(現在のハイチ・ドミニカ共和国)やジャマイカ、キューバ、ベネズエラなど南米北部を何もない土地に荒廃させた。

詳しくはこの本、「インディアスの破壊についての簡潔な報告」にある。もとはコンキスタドールとして、南米に渡ったラス・カサスが自分の目で見た事実を淡々と書き示している。スペイン人の取った行動には「法則」があって、時間が経つ毎に残虐性が増していくと。現代人が読むと初期の頃からひどい内容ではあったが、後半はエスカレートしていたと思う。救いがないとはこの事。かなり後味の悪い内容になっているので、読了後、気分が悪くなるかも。。

旧市街の観光スポット

独立広場 / Plaza de la Independencia

Vista de la Plaza de la Independencia - Independencia SquareVista de la Plaza de la Independencia - Independencia Square / Yamil Salinas Martínez

独立広場は旧市街の中心部にあり、広場中央には1809年8月10日に独立に関わった英雄たちを讃える石碑が建っている。広場の西側には17世紀に建てられた大統領府(カロンデレット・パレス)、東側に市庁舎、南側に大聖堂(カテドラル)、北側にはキトで最初に建てられたホテルプラザグランデが建っている。

カテドラル / La Catedral

QUITO - LA CATEDRALQUITO - LA CATEDRAL / mauro gambini

1572年建設のカトリックの大聖堂。建築様式はゴシック - ムデハル様式。独立広場の南西側に位置、独立広場に面した正面入口の半円形の階段はカロンデレットアーチという名前で有名。カロンデレットとは、1799年から1807年までキトのアウディエンシア(植民地における司法・行政・立法を司る王室機関)の長官を務めたヘクター・デ・カロンデレット。

カテドラル

開館時間:9:00 - 17:15(月〜土)
休館日:日曜
入場料:US$1.50

サン・フランシスコ教会・修道院 / Church and Monastery of St. Francis / Iglesia y Convento de San Francisco

Iglesia_de_San_Francisco,_Quito,_Ecuador,_2015-07-22,_DD_217-219_HDRIglesia_de_San_Francisco,_Quito,_Ecuador,_2015-07-22,_DD_217-219_HDR / Diego_Delso

一般的に「エル・サンフランシスコ」として知られているサン・フランシスコ教会・修道院。1535年に着工し1605年に完成した南米一古い教会・修道院。南米一大きな歴史的建造物であることから「新世界のエル・エスコリアル宮殿」と呼ばれた。

教会内部にはカスピカラ作の「十二使徒像 / The Twelve Apostles」やベルナルド・デ・レガルダの作品「キトの聖母 / The Virgin of Quito」をはじめ、たくさんの絵画や彫刻が飾られている。

併設された博物館には数千の絵画や彫刻、16世紀の家具などが展示されている。

サン・フランシスコ教会・修道院

開館時間:7:00-11:00(毎日)、15:00-18:00(月〜木)
休館日:無休
入場料:無料

博物館

開館時間:9:00-17:30(月〜土)、9:00-13:00(日)
休館日:無休
入場料:$2

サント・ドミンゴ教会・修道院 / Santo Domingo church / Iglesia y Convento Santo Domingo

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Iglesia_de_Santo_Domingo,_Quito,_Ecuador,_2015-07-22,_DD_211-213_HDR / Diego_Delso

サントドミンゴ教会はキトの歴史的中心部に建てられたカトリック・ドミニコ会の教会。ボリバル通りとロカフエルテ通りの間、フローレス通りに位置しています。
建築家フランシスコ・ベセラの指示の下1580年に着工、17世紀初頭に完成。

Iglesia_de_Santo_Domingo,_Quito,_Ecuador,_2015-07-22,_DD_197-198_HDRIglesia_de_Santo_Domingo,_Quito,_Ecuador,_2015-07-22,_DD_197-198_HDR / Diego_Delso
教会内の「ロザリオの聖母」と呼ばれる礼拝堂の中、赤い壁に金で装飾された暁のロザリオの祭壇が有名。

また、併設された博物館にはスペイン植民地時代の宗教画が多く展示されている。

サントドミンゴ教会・修道院

開館時間:7:00-13:00, 17:00-19:00
休館日:無休
入場料:無料

博物館

開館時間:9:00-17:00(月〜金)、9:00-14:00(土)
休館日:日曜
入場料:$2

ラ・コンパニーア教会 / Church of the Society of Jesus / Iglesia de la Compañía de Jesús

Iglesia de la Compañia de JesusIglesia de la Compañia de Jesus / jipe7

ラ・コンパニーア教会は黄金教会として知られているイエズス会の教会。1605年から160年の歳月をかけて建てられた(1765年完成)。南米のスペインバロック様式建築の中で最も重要な教会のひとつで基本構造はバロック様式であるが、柱はムデハル様式を用いて幾何学模様が施され、内部は華やかな装飾のチュリゲラ様式、サン・マリアナ・デ・ヘススの礼拝堂は新古典主義と多岐にわたる。

Décor baroqueDécor baroque / morpholux

内部の装飾には7トンもの金を使用したと言われている。豪華!

ラ・コンパニーア教会
開館時間:9:30-18:30(月〜金)、9:30-16:00(土)、12:30-16:00(日)
休館日:無休
入場料:4ドル
※内部撮影禁止

バシリカ教会 / Basílica del Voto Nacional

Basilica del Voto NacionalBasilica del Voto Nacional / jipe7

アメリカ大陸で最大のネオゴシック様式のバシリカ教会は1982年に建設開始、そして未だに一部建設が続いているという。地元の伝説では完成した時に世界の終わりが来ると言われている。なので永遠に完成しないのかも。
教会を設計したのは建築家Emilio Tarlierで、スペインのブルゴス大聖堂とフランスのノートルダム大聖堂からインスパイアされてこの教会の設計をしている。

IMG_3610-16.jpgIMG_3610-16.jpg / Joanne Goldby

バシリカ教会のガーゴイルはヨーロッパでよく見られる悪魔のようなものではなく、エクアドル固有の動物であるガラパゴスゾウガメ、イグアナ、アリクイなどに置き換えられている。

外壁に付いているガーゴイルはなんのためにあるのか、というと屋根に溜まった雨水が外壁を濡らして腐食するのを避けるために設けられています。いわゆる雨樋ってやつですね。

バシリカ教会

開館時間:9:00-16:30
休館日:無休
入場料:教会 1$ / 尖塔 $2

ラ・メルセー教会・修道院 / Iglesia del Convento La Merced

Quito Equateur - Juillet 2006Quito Equateur - Juillet 2006 / Christophe ALARY

クエンカ通りとチリ通りの一角にあるラ・メルセー教会・修道院は1701年に建設が始まり、高さ47mもある塔が1736年、大聖堂が1747年に完成した。

教会内部にはベルナルド・デ・レガルダ作の聖母像やミゲル・デ・サンティアゴの作品が飾られている。

ラ・メルセー教会・修道院

開館時間:7:00-12:00, 14:00-17:00
休館日:日曜
入場料:無料

スクレ家博物館 Museo Casa del Sucre

PATIOSPATIOS / Córdoba 2016

エクアドル独立の最大の英雄、アントニオ・ホセ・デ・スクレが暮らした家を博物館として開放。19世紀はじめ頃の家具がそのまま展示されている。

スクレ家博物館

開館時間:8:00 - 16:45(火〜金)、8:30-13:00(土)
休館日:日・月
入場料:1$

パネシージョの丘 / Cerro de Panecillo

Angel StatueAngel Statue / jipe7

パネシージョの丘はキトの中部と南部の間にあり海抜3,016m、高さが180mあります。キトの先住民から「Yavirac」と呼ばれていたこの土地には、インティライミの時に太陽を崇拝するためのお寺があったが、コンキスタドールのスペイン人によって破壊された。

頂上からはキトの新市街、旧市街を一望できる。丘の上に建てられた高さ41mの聖母像はサン・フランシスコ教会に飾られているベルナルド・デ・レガルダの彫刻作品「キトの聖母」を参考にスペインの芸術家 Agustín de la Herrán Matorrasによって1975年に作成された。

丘の頂上まで徒歩で30分くらいの距離だが、この辺りは貧しい人々が住むエリアで治安が悪い。タクシーかツアーで行くべし。帰りも頂上ではタクシーを捕まえられないので、待っていてもらえるようにお願いしておこう。

用語解説

大聖堂
その教区の教区長(大司教が)治める聖堂。決して大きい聖堂のことではない。

ゴシック様式
ステンドグラスと尖塔アーチ、リブ・ヴォールトが特徴的なゴシック建築。

ムデハル様式
イスラム教徒の建築様式とキリスト教徒の建築様式が融合。特徴は壁面に幾何学模様の装飾があること。

チュリゲラ様式
スペインで独自の進化を遂げたゴシック様式。チュリゲラ一族が活躍したことでこの名前になった。ねじれた柱やたくさんの彫刻が施され過剰とも言える装飾で覆い尽くすのが特徴。

アクセス

TAME Boeing 727; HC-BHM@UIO;22.06.2008/514fxTAME Boeing 727; HC-BHM@UIO;22.06.2008/514fx / Aero Icarus

日本からの直行便はなくアメリカ(アトランタ、ヒューストン、ダラスなど)で最低1回は乗り換えが必要になります。所要時間は19時間20分〜24時間40分。
キトに就航しているのはデルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空など。KLMオランダでアムステルダム経由っていうのもあるようです。
費用は13万〜。

キトの空港はマリスカル・スクレ空港。街の中心地までは車で15分〜20分の距離にある。

ホテル

Casa GangotenaCasa Gangotena / Ciencia1.com

きれいなホテルが多いのはノルテのマリスカル地区。旧市街は植民地時代の面影を残した建物が多い。
旧市街はあまり治安が良くないが裏通りや夜間に単独で行動することを避ければ問題ない。(問題ないと言っても日本と同じ感覚では危険です…)
それでも心配な場合はノルテ(北地区)の方が治安がいいのでホテルはここで見つけよう。ただしここも安全とはいえ、日本とは違うので特に夜間は注意が必要です。

おすすめは旧市街のカーサ・ガンゴテーナ。しかし1泊5万円!(2人分の料金です)
この辺りの相場は1万くらいからあるので下記のホテルから選べば間違いはないでしょう。

旧市街
・ホテル・パティオ・アンダルス
・ラ・カソナ・デ・ラ・ロンダ・ブティック・ホテル
・ミア・レティシア

ノルテ
・スイソテル
・JWマリオット
・ホテル・カサ・ホアキン

旅の予算

日本発のツアーで行く場合はキトとガラパゴス諸島のセットのものが多いようです。

ガラパゴスは通年で観光できるが、12月から5月が乾季で6月から11月が雨季。その中でもハイシーズンは6月中旬から9月上旬、または12月中旬から1月初旬。
予算はだいたい¥450,000〜¥650,000くらい。けっこう高い。。

個人旅行の場合は、成田空港からユナイテッド航空でジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル・ヒューストン空港を経由してマリスカル・スクレ国際空港へ。
所要時間は25時間44分。飛行機代は往復¥130,000〜。

現地発のキト&ガラパゴス諸島のツアーを手配(ガラパゴス諸島では居住者以外が自由に歩くことができないので、ツアーに参加するしかない)。5泊6日で$3,000(キト2泊、ガラパゴス3泊)、クルーズ船で島々を巡るツアーは6泊7日で$4,350(キト2泊、ガラパゴス4泊)。

合計約¥430,000〜¥640,000くらいでしょうか。日本発のツアー料金とあまり変わらないですね。

基本情報

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