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基礎知識

世界遺産の基礎知識 No.3 - 定義

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世界遺産は、記念物や建造物などの文化遺産、長い年月をかけて自然が作り上げてきた景観などの自然遺産、これら二つの要素を兼ね備えた複合遺産と大きく3つのカテゴリーに分けられています。そしてそれらの中には危機遺産負の遺産にカテゴライズされる遺産もあります。

文化遺産

世界遺産条約第1章第1条で文化遺産について定義されている。

記念工作物
記念的意義を有する彫刻及び絵画、考古学的物件又は構造物、銘文、洞窟住居並びにこれらの物件の集合体で、歴史上、美術上又は科学上顕著な普遍的価値を有するもの
例)ケルン大聖堂

建造物群
独立した又は連続した建造物群で、その建築性、均質性又は風景内における位置から、歴史上、美術上又は科学上顕著な普遍的価値を有するもの
例)ポルト歴史地区

遺跡
人工の所産又は人工と自然の結合の所産及び考古学的遺跡を含む区域で、歴史上、観賞上、民族学上又は人類学上顕著な普遍的価値を有するもの
例)クンタ・キンテ島と関連遺跡群

(参考:世界遺産条約)

自然遺産

世界遺産条約第1章第2条で自然遺産について定義されている。

  • 無機的及び生物学的生成物又は生成物群から成る自然の記念物で、観賞上又は科学上顕著な普遍的価値を有するもの
  • 地質学的及び地文学的生成物並びに脅威にさらされている動物及び植物の種の生息地及び自生地でありかつ明確に限定された区域で、科学上又は保存上顕著な普遍的価値を有するもの
  • 自然地区又は明確に限定された自然の区域で、科学上、保存上若しくは自然の美観上顕著な普遍的価値を有するもの

(参考:世界遺産条約)

複合遺産

世界遺産条約第1章第1条、第1章第2条の両方に該当する遺産は複合遺産として登録される。
「トンガリロ国立公園」「ウルル、カタ・ジュタ国立公園」「ンゴロンゴロ保全地域」など。

危機遺産

正式には「危機にさらされている世界遺産」。自然環境の悪化、材質の悪化、武力衝突の勃発、密漁による動植物の減少、観光客増加による大気汚染やごみ問題など様々な理由によって危機遺産リストに登録される。

最近ではイエメンやイラク、パレスチナにある遺産が情勢不安により危機遺産に登録されている。シリアにある世界遺産は一足早く2013年に6件すべて危機遺産に登録されている。残念ながらパルミラ遺跡の凱旋門はISによって破壊されてしまったようだ。これ以上の破壊活動が起こらないように各国協力して保全にあたってほしい。

過去に世界遺産リストから抹消された遺産は、ひとつ目はドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」。エルベ川に橋をかけたために景観が損なわれ世界遺産リストから抹消。
2つ目はオマーンの「アラビアオリックスの保護区」。保護地区の90%削減することをオマーン政府が決定したので、危機遺産リストに登録されることもなくいきなり抹消された。

そして2021年、「リヴァプール-海商都市」が都市開発によって歴史的景観が破壊されたと判断され登録抹消された。

登録抹消されたのは現在この3件のみである。

負の遺産

負の遺産は、戦争や紛争、人種差別など、人類が犯してきた取り返しのつかない過ちを二度と繰り返すことがないよう記憶に留めるため、負の遺産として登録されるが、世界遺産条約で定義はされていない。

戦争の爪痕が残る「広島平和記念碑(原爆ドーム)」や「アウシュヴィッツ・ビルケナウ -ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)-」、奴隷貿易の歴史が残る「ゴレ島」や「海商都市リヴァプール」などがそうだ。

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