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シンクヴェトリル国立公園

Thingvellir National Park

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Continental Drift
Continental Drift / moohaha

世界最古の民主的議会が開かれた場所があるシングヴェトリル国立公園

アイスランドの南西部、首都レイキャビクの北東50kmに位置するシングヴェトリル国立公園は、ユーラシアプレートと北米プレートの境界線である大西洋中央海嶺を地上で見ることができる珍しい場所。大陸プレートが東西に引っ張られて出来た大地の裂け目はアイスランド語でギャオと言い、アフリカの大地溝帯やカリフォルニア州にあるサンアンドレアス断層など地上で見られる数少ない場所のひとつである。

12世紀、アイスランドの聖職者アリ・ソルギンソンが書いた初期のアイスランドの歴史や史実を伝える「アイスランド人の書」には、ノルマン人探検家インゴールヴル・アルナルソン(Ingólfur Arnarson)が、西暦870年頃にレイキャビクに最初に上陸した人物だと書かれている。ノルウェーの土地不足や内紛を理由に多くの人々がアルナルソンの後を追い、アイスランドを新天地として移住してきた。人口の増加に伴い、集落ごとではなく全島で守る法律やルール、それらを話し合う場が必要になった。

900年頃、ウールフリョゥトゥル(Úlfljótr)という人物を新しい社会に必要な法律や文化を学ばせるためノルウェーに派遣した。3年間ノルウェーで過ごしたウールフリョゥトゥルはそれらを学び、アイスランドに持ち込んだ。ウールフリョゥトゥル不在の間、彼の異母兄弟であるGrímur geitskórがアイスランド各地をめぐり、議会に最適な場所を探し、人口が多い南西部からアクセスしやすいシンクヴァトラヴァン湖畔のBláskógar(現シンクヴェトリル)を議会の場とした。

930年、世界最古の民主的な議会(アルシング)が開かれ、1798年まで続いた。

毎年6月になると、アイスランド各地から5,000人を超える人々が集まり約2週間、議会が開かれた。人々は牧草地に宿泊するための簡易な家を作りそこに滞在した。議会が開かれている間、食べ物やビールを売る人、なめし屋や剣の研ぎ師、大道芸人が集まり賑わいを見せていた。北部から来る人たちは1、2日で着くが、山々に囲まれている東部から来る人たちは2週間以上かかったと言われている。

1930年にアイスランド最初の国立公園に指定され、2004年世界遺産基準(ⅲ)と(ⅵ)が認められ世界遺産に登録された。

シンクヴェトリル国立公園の観光スポット

法律の岩

Þingvellir
Þingvellir / Luc Van Braekel

法律の岩(ログベルグ / Lögberg)は、アルシングの議長が席についた場所で、公約の宣言や重要なニュースの発表もその場で行われていた。
また、議会に出席する者は誰でも、法律の岩から重要な問題について自分の主張を発表する権利を与えられた。

1944年6月17日、デンマークから独立したアイスランドが独立宣言を行ったのもこの場所である。

グトルフォスの滝

Gullfoss
Gullfoss / FerTravelPhoto

グトルフォスの滝はレイキャビクから約107kmの距離にあり、ラング氷河から流れてきた水がクヴィト川を通り流れ着く。夏には大量の雪解け水が滝に流れ落ちる。
滝は2段階に分かれており、1段目は11m、2段目は21m、合計32メールの落差がある。

水量は冬は毎秒80m3、夏は毎秒140m3、最高値は毎秒2000m3を記録。20世紀前半にはグトルフォスの滝を水力発電に利用しようとする動きがあったが、資金不足や反対の声が多く、計画は頓挫し、個人所有だったたちの権利はアイスランドに渡された。

ゲイシール間欠泉

Geysir
Geysir / AZAdam

ゲイシール間欠泉は、ハウカダルール渓谷にある有名な間欠泉。最大70メートルの熱湯を空中に吹き上げる。しかし、近年は滅多に噴出せず、過去には何年も止まってしまったこともある。2000年、2008年の地震発生を境に再び噴出するようになったが一日平均3回程度しか見ることができない。

そのかわりに、ゲイシール間欠泉の南に50mの位置にあるストロックル間欠泉は、5分から10分間隔で20〜40mの熱湯を吹き上げている。

シルフラ

Silfra snorkeling day tour-Dive.is
Silfra snorkeling day tour-Dive.is / shri_ram_r

シルフラはシンクヴァトラヴァトン湖にある大地の裂け目のこと。ラング氷河から流れ出た水が30〜100年という長い年月をかけて溶岩の大地を通り、ろ過された水がシングヴァトラヴァン湖に流れるため、ここの水は100m先まで見渡せるくらい透明度が高く、飲料水にも適している。

シンクヴェトリル国立公園の登録基準

登録基準(ⅲ)
アルシングとその後背地であるシンクヴェトリル国立公園は、集会場の遺跡や参加者のブース跡、集会が行われた時代までさかのぼる集落の景観の証拠を通じて、中世北欧・ゲルマン文化のユニークな反映を示し、その本質が930年の創設から18世紀まで持続していたことを表している。

登録基準(ⅵ)
12世紀のアイスランド人のサガで知られ、19世紀の独立戦争で強化された、中世の北欧・ゲルマン統治とアルシングの強い関連性への誇りが集会場の力強い自然環境とともに、アイスランド国民のアイデンティティを象徴する聖地としての地位を与えている。

シンクヴェトリル国立公園へのアクセス方法

finnair
finnair / OsdPhoto.com

日本からアイスランドへの直行便はありません。スカンジナビア航空やフィンエアーが乗継便を運行している。所要時間は16時間から31時間くらいかかる。



シンクヴェトリル国立公園周辺のホテル情報

レイキャビクのホテル料金は3,000〜30,000円

ケックス・ホステル・レイキャビク
ハルグリムズ・ゲストハウス
ホテル・ロータス
サンド・ホテル・バイ・キーホテルズ
キャノピー・バイ・ヒルトン・レイキャビック・シティ・センター

シンクヴェトリル国立公園までの旅の予算

ツアー代金は、200,000〜400,000円くらい。

個人旅行の場合

往復航空券
羽田→コペンハーゲン→レイキャビク(21時間)/ スカンジナビア航空
130,000円

宿泊代
レイキャビク4泊:12,000〜120,000円

現地ツアー代(ベルトラ)
クラシック・ゴールデンサークル観光ツアー(ISK6,990)
ゴールデンサークル観光+神秘のオーロラ&星空観賞ツアー(ISK11,790)
地球の割れ目「シルフラ」でシュノーケリング体験&ゴールデンサークル1日観光ツアー(ISK24,990)

合計:147,600〜269,800円(参考価格)

基本情報

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