アーグラ城

1 ムガル帝国の栄華が息づくアーグラ城
2 ジャハンギール宮殿
3 ディーワーニ・アーム（公謁殿）
4 カース・マハル（寝殿）
5 ムサンマン・ブルジュ
6 アクセス
7 ホテル
8 旅の予算
9 基本情報

ムガル帝国の栄華が息づくアーグラ城

アーグラ城は、デリーから南東へ約200kmの位置にあるウッタル・プラデーシュ州アーグラにあるムガル帝国時代の城塞であり、赤砂岩でできているため「レッド・フォート（赤い城）」とも呼ばれる。3代皇帝アクバルが建設を開始し、その後の皇帝たちによって拡張・改築が行われた。アクバル、ジャハンギール、シャー・ジャハーンの3人の皇帝がそれぞれの時代にこの城に住んでた。

ムガル帝国は、ペルシア文化を取り入れたイスラム王朝であり、ペルシア建築の影響を強く受けている。しかし、征服したインドの地ではヒンドゥー教徒も支配下に置かれたため、ムガル帝国の建築物においても、征服したインドの文化を取り入れイスラム教とヒンドゥー教の文化が融合したデザインが採用されるようになったと考えらる。

その後、アーグラ城はムガル帝国の衰退し、イギリスの植民地支配下に入った。イギリスはアーグラ城の一部を取り壊し、監獄や軍事施設として作り変えた。

現在、アーグラ城は、ムガル帝国時代の建築や文化の重要な遺産であり、その美しさや歴史的価値から、1983年に世界遺産に登録された。

ジャハンギール宮殿

ジャハンギール宮殿は、17世紀初頭に3代皇帝アクバルによって息子のジャハンギールのために建設し、アクバルのラージプート族の妻たちが使用。その後はジャハンギールの妻の本邸として使われた。赤砂岩と白大理石を多用し、ヒンドゥー教とイスラム教の建築様式を融合させた、アクバル統治時代の現存する最も古い建物のひとつとされている。
宮殿内にはハウズ・イ・ジャハンギリと呼ばれる一枚の石から削り出された大きな鉢があり、香りの良いバラ水を貯めるために使われていた。

ディーワーニ・アーム（公謁殿）

ディワーニ・アーム（Diwan-i-Am）は、3代皇帝アクバルによって建てられ、後にシャー・ジャハーンによって改修されました。もともと赤砂岩で作られた建物は、白大理石に似た白い貝殻の漆喰で覆われ、ファサードは繊細な花のモチーフやコーランの詩を含む複雑な彫刻や象嵌大理石細工で飾られている。

ディワーニ・アームはペルシャ語で「公の謁見の間」を意味し、皇帝が庶民と会い、彼らの不満や要望、提案を聞くための場所でした。東の壁の中央には大理石の天蓋があり、その下に皇帝の玉座があった。皇帝はここで一般市民を迎え、彼らの話を聞きました。謁見の儀式は「ジャローカ・ダルシャン（Jharokha Darshan）」と呼ばれている。

カース・マハル（寝殿）

カースマハルは、17世紀に5代皇帝シャー・ジャハーンによって建てられた宮殿で、彼の私邸として使用されていた。
建物内部は、ムガル建築の特徴である複雑な大理石の象嵌で装飾、漆喰で塗られた壁には花柄や幾何学模様が施され、ラピスラズリ、ジャスパー、オニキスなど、さまざまな色の貴石が使われている。

ムサンマン・ブルジュ

ムサンマン・ブルジュは、シャー・ジャハーンが最愛の妻ムムターズ・マハルのために建てた、貴石をはめ込んだ大理石の八角形の塔。シャー・ジャハーンは、後に後継者争いに勝利した三男アウラングゼーブに幽閉され、息を引き取るまでの8年弱、この塔で過ごした。そのため、この八角形の塔は「囚われの塔」とも呼ばれている。

アーグラ城 / Agra Fort
住所：Agra Fort, Rakabganj, Agra, Uttar Pradesh 282003
開館時間：6:00〜18:00
入場料：550INR（892円）